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創業は56〜7年(昭和40年頃)で、森鴎外の娘森茉莉が通い詰めた店としても有名な世田谷邪宗門です。下北沢から徒歩15分ほどの住宅街に突然現れる渋〜い昭和レトロな喫茶店です。
店構え
元々は店主の自宅のガレージだったところを改装して喫茶店にしたのが始まりです。更に同名の「邪宗門」という喫茶店は東京を中心に富山、静岡、新潟などに8店舗ありましたが、チェーン店というわけではありません。
邪宗門という名前の由来は北原白秋の処女詩集です。吉祥寺で開業しその後国立に移転した邪宗門第一号の店主がマジシャンだったので、コーヒーとマジック好きの常連が集まるようになりました。
そんな常連客の1人、サラリーマンであった世田谷邪宗門門主は、当時無名の初代引田天功の演技に感激し、押しかけ弟子入りをはたし、仕事の帰りに国立店へ寄っては店主のマジックの指南を受け、常連客とは手品談義を熱く交わし、とうとう自宅ガレージを改装して世田谷邪宗門を始めるのです。
第一号店である国立邪宗門は残念ながら2008年に店主他界により閉店しました。また、8店舗あった邪宗門は、2008年に国立店、2012年に桜ヶ丘店、2019年に小田原店がいずれも店主他界により閉店しています。ですから現在は、世田谷、荻窪、下田(静岡県)、高岡(富山県)石打(新潟)の5店舗です。
赤テントの「珈琲邪宗門」のロゴはどの店舗も共通です。▼
店内
これはもう完全に愛すべきカオス系喫茶店です。天井からはたくさんのアンティークのランプがぶら下がり、壁には火縄銃をはじめとした骨董品の数々が所狭しと並んでいます。カオス系ですが、全てが骨董品で統一されているせいか、不思議とまとまりがあります。
まとまってますよね?▼
火縄銃のコレクション▼
座席は大きく分けて3つのゾーンです。手前の両サイドと中央の席、そして奥の部屋です。手前の窓際の席には常連さんがいらしてマスターが時折一緒に腰掛けて談笑されていました。
逆側のこじんまりとした2人席が常連だった作家森茉莉さんの特等席です。ここに座ってみたかったけれど、先客がいたため、中央奥の席に着席しました。マスターは過去にNHKの森茉莉さんを特集した特別番組に本人をよく知る人物として登場したこともあるほどです。
森茉莉さんが邪宗門について語る雑誌のインタビューページ▼ 森茉莉さんの背景のクロスした木は、紛れもなく上の写真の壁ですね▲
なんか落ち着く空間です。▼
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奥の部屋はママさんが愛してやまない美空ひばりコレクションの部屋でもあります。ジュークボックスまであります。▼
メニュー
コーヒーメニューです。▼
世田谷邪宗門にはあんみつコーヒーという、あんみつにコーヒーをかけて食べるというオリジナルメニューがあります。▼
メニューの裏に色々お店のことが書いてありますので、必ず読みましょう。▼
この他にもお店の雑誌掲載スクラップなど、明るく元気なママさんがいろいろ見せてくださいました。ありがとうございました。
オーダー
レアチーズケーキとオリジナルブレンドのケーキセットをオーダーしました。
写真でも十分美味しそうなのが伝わりますよね?美味しいんです。コーヒーカップはウィローパターンです。▼
レアチーズケーキと濃いめのコーヒーがとっても合うんですよねぇ。
また食べたい。▼
ポイント
店内至る所がポイントだらけなんですけれど、たまたま座った席の横に、小さいけれど興味をそそるこんな張り紙が▼
未成年は開閉禁止ですが、私は成人してからだいぶ経っているので、そりゃ開けますよね。
こんな感じです。この引き出しの横に座ったら、開けますよねぇ。拝観料は10円だそうです。▼
そう言えば、同じカオス系喫茶の浜松町・大門にある喫茶モトにも春画を象牙で立体的に彫ったものがありました。この手のものはカオス系喫茶あるあるなのかなぁ。
カオス系喫茶だけれど統一感あるのでなんとなく整然としているこの矛盾が面白い喫茶店です。趣味が昂じちゃって喫茶店始めちゃったという流れですが、コーヒーもケーキも美味しいし、何より雰囲気最高です。ご馳走様でした。
基本情報
店名 | 世田谷 邪宗門 |
住所 | 世田谷区代田1丁目31−1 MAP |
最寄駅 | 京王井の頭線、小田急線下北沢駅徒歩15分、小田急線世田谷代田駅徒歩12分 |
定休日 | 水・木 |
営業時間 | 9:00 – 16:00ごろ (土日は18:00) 閉店は早まる場合あり |
禁煙・喫煙 | 禁煙 |