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松本 開業は2016年、でも中身は1959年。60年以上変わらない昭和レトロな喫茶店「珈琲茶房かめのや」


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松本で話題のレトロ昭和な喫茶店「珈琲茶房 かめのや」。

開業は2016年。コーヒーはいわゆるスペシャリティコーヒーですし、いかにも最近のモダンなカフェのようですが、それがなぜ昭和レトロで話題なのか。

松本の観光名所でもある縄手通り商店街からもほど近い、珈琲茶房かめのやを訪問してみました

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立地と歴史

女鳥羽川(めとばがわ)沿いに古い城下町の街並みを再現した縄手通りの外れの方にかめのやの店舗はあります。実際には縄手通りから一本外れた路地の中です。

松本駅から歩いて15分くらい、松本城からなら10分くらい。松本の街を観光しつつ立ち寄るにほどよい距離感です。

▲開業が2016年なのに、やけに古い建物、年季の入っていそうなテントなどが分かります。

実はかめのやは1959年(昭和34年)に開業した「翁堂茶房(おきなどうさぼう)」という喫茶店を居抜きでそのまま受け継いでいるのです。

その翁堂茶房は近くの「翁堂」という菓子店が来客者用にオープンさせたもの。翁堂に至っては創業が1911年(明治44年)という松本の老舗です。

つまり古い歴史を持つ松本の歴史が染み込んだような喫茶店です。

店名もメニューも変わりましたが内装や調度品は翁堂茶房のものですから本物の昭和レトロです。そんな雰囲気の中でスペシャリティコーヒーををいただけるのですから、それは話題にもなろうというものです。

店構え

1959年ですから高度成長期の前半。たぶんその頃の松本は他の地方都市に比べれば観光客も多かったのでしょうが、でもまだ古い日本が色濃く残っていた時期です。

そして当時の縄手通りや翁堂茶房周辺には映画館や劇場などもある、いわば ”盛り場” でした。

▲その頃にこの場所で白いタイル貼りの外装に円形の窓ですから、当時の地元の人にとっては相当にオシャレに映ったんじゃないでしょうか。

今は良い感じに蔦も絡まっています。

▲外壁に取り付けられたランプもいいですね。

1970年代、国鉄(当時)のディスカバー・ジャパンキャンペーンが始まってアンノン族の女性たちが押しかけるようになった頃に建てられましたと言われても納得なモダンぶりです。

店内

店内も翁堂茶房が開業した当時のものが残っているそうです。

▲中央には木製の大きなテーブル。

昭和の豪華喫茶店という感じです。今だと北欧風なシンプルでスタイリッシュなものが好まれますが、高度成長期のセンス的には装飾の多いネオゴシックなものに高級感を感じたのでしょう。

▲大テーブルの向こうに見えるのは坪庭。

喫煙できた昔はこの大テーブルでコーヒー&シガレッツしながら窓越しに庭を見ていたのでしょう

▲坪庭には噴水もあります。

1959年ですからね、当時はパリが世界の文化の中心でしたから映画や写真でしか知らないフランスの庭園などをイメージしたのでしょう。

店内の中央は大テーブルですが、周囲はこのようなビニールシートのベンチ席です。

メニュー

メニューはドリンクとデザート、それとトーストです。

▲2023年夏のメニューです。

重要なことがいろいろ書かれています。

定休日無しで朝は8時から。店内の写真撮影は迷惑にならなければOK。支払いは現金またはPayPayのみ。

今回訪問したのは平日だったので観光客は少数派で、ほとんどは地元の方か常連さんのようでした。

▲通常のコーヒーメニューです。

はちみつコーヒーとか気になるものもあります。

▲これはおすすめコーヒー。

信州林檎コーヒーはまさにご当地コーヒー。店舗2階の焙煎工房で豆を焙煎しているのだそうです。これからいろいろバリエーションが増えるのかもしれません。

▲デザートメニュー。

注目は「牛乳パン」。長野県のソウルフードとも言われるご当地パンです。

▲これは期間限定メニュー。

2023年夏のものです。

オーダー

暑い日だったのでアイスコーヒーと期間限定のミルクブリューをオーダー。夏でも涼しいイメージの松本ですが中心部は盆地なので実はあまり涼しくありません。そこに気候変動の影響も加わって温度的には東京と変わらない気がします。湿度が低いのが救いですが。

そしてもちろん牛乳パンもオーダーです。

▲絶妙なラインを描くガラスコップに入ったミルクブリュー、700円。

それと牛乳パン、300円。さらにミニカヌレも追加でオーダー。

▲ふわふわのコッペパンにたっぷりのミルククリームが挟まっています。

牛乳パンはかめのやの前身の翁堂茶房が開業したのと同時期に販売が始まったもので、長野県内の各地に分派があるみたいです。

食パン、山形パン、コッペパンなどパンの種類も様々、挟まるクリームの量も控えめなものから分厚いものまであって、同じ長野県の人でも”牛乳パン” でイメージするのはかなり違うみたいです。

▲アイスコーヒーもカメノヤの店名入りグラスに入って出てきました。▼

ポイント

まずはこれぞ昭和レトロと言うべき店内の内装と調度品です。

そして牛乳パン! 長野県でしか食べられない昭和レトロな食べ物です。

朝は週末も8時からオープンしているので松本に宿泊して観光するならホテルや旅館で朝食するのではなく、かめのやでモーニングというのも良いアイディアだと思います。松本城まで徒歩10分です。

また、前身の翁堂茶房の母体である「翁堂」は「かめのや」のすぐ近く。この写真で左手方向に20mくらい。交差点の向かいにあります。

有名な「たぬきケーキ」や「ミミー」といった洋菓子、そして松本らしい和菓子が豊富にあって松本土産におすすめです。かめのやと併せて訪問したいですね。

松本駅の方に向かうとモカクリームオレで有名な「珈琲美学 アベ」、食事なら民芸レストラン盛よしレストランどんぐりなどがありますよ。

基本情報

店名 珈琲茶房 かめのや
住所 長野県松本市大手4丁目7−22 MAP
最寄駅 松本駅徒歩約15分
定休日 なし
営業時間 8:00 – 20:00 (土日祝は18:00まで)
禁煙・喫煙 全席禁煙 (店外に喫煙スペースあり)

営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。

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