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高松にある伝説の喫茶店城の眼は、香川県牟礼にアトリエを構えていた彫刻家イサムノグチも通ったという全国的にもとても有名な喫茶店です。その店構え、インテリアなど、芸術家が結集して完成した、こだわりがたくさん詰まったお店です。
立地と歴史
高松市立美術館の斜め前にある城の眼は、1962年(昭和37年)創業の高松の老舗喫茶店です。60年代から営業していますが、店の雰囲気はいわゆる昭和レトロな懐かしい喫茶店とは一線を画します。
かつては、牟礼にアトリエ兼住居を構えていた彫刻家イサムノグチも通っていた喫茶店です。イサムノグチには、指定席があったらしいのですが、確認するのを忘れてしまいました。あと、もう一つ確認し忘れたのが、店の名前の由来です。この二つは次回再訪の折に聞いてみたいと思います。
すごい常連さんはイサムノグチだけでなく、現代音楽家の武満徹も通っていたとか。なかなかすごいメンバーです。
常連さんの文化度の高さは桁違いですが、他にどこがどうすごいのか、最終的には訪問して頂かないとわからないのですが、拙い文章でなんとか頑張ってみます。
店構え
美術館通りにあるコンクリート打放しに線描のパターンデザインが施された一風変わった佇まいを見せる建物です。ファサードだけで普通じゃないのが伝わってきますね。▼
店内
特筆すべきは、そのインテリアなのですが、残念ながら店内の撮影は禁止なのです。
ああ、残念だなぁ。入店したときは、2組いたお客さんが、すぐに帰られて、ずっと貸切状態だったので、余計に店内の写真が撮れないのが残念でした。
しかし、お店の方針ですから仕方がありません。
城の眼は、香川県庁舎や、取り壊しか否かで揺れている旧香川県立体育館など、香川県とは縁の深い建築家丹下健三の弟子にあたる香川県出身の建築家山本忠司の設計です。
お店の天井の中央のくぼみにある天窓など、喫茶店とは思えない個性的なデザインです。
店内正面の壁は一面が趣のある石造りになっています。これはニューヨークで開催された万国博覧会「日本館」(前川國男設計)外壁のために試作した石彫レリーフを内壁に使用したもので彫刻家の流政之によるもの。
流政之もまた、香川県に縁のある彫刻家です。残念ながら2018年に亡くなりましたが、1966年から「庵治石」で有名な日本有数の石材の産地、香川県庵治半島の岬の東の広大な敷地に住居兼アトリエを構え、制作に励んでいました。その敷地面積はなんと約19,500平米!!!
現在、その場所はNAGARE STUDIOとして2019年に完全予約制で一般公開が始まりました。次回は是非予約して訪問してみたい。しかし、その敷地面積にも驚きましたが、入場料が5000円というのにも驚きました。民間で美術館(スタジオ)を維持していくって大変ですよね。
イサム・ノグチや家具デザイナーのジョージ・ナカジマが香川に来たのも流政之との繋がりだそうです。だから、このお店にイサムノグチも通っていたんですね。
また、コンクリート打放しに線描によるパターンデザインを施したファサードのデザインと室内デザインを彫刻家の空充秋が、石彫レリーフは地元の岡田石材石彫研究室が制作しました。
空充秋の制作とみられる色彩豊かな染織作品も2点ほど店内に飾られていました。形が独特なので一眼で空充秋だとわかりました。
店内に流れる音楽は、現代音楽家で芸術集団「実験工房」の一員だった秋山邦晴の制作です。店内に流す音楽までこだわるってすごいですね。
しかも、この音楽が流れるスピーカーがまたすごいんです。入り口扉の両脇にデーンと構えるスピーカーは高松の名産品である「庵治石」で作られていてなんと、一つ3トンの重さがあるんです。3トンって、両方で6トンですよ!1階にしか設置不可能な重さですね。
ただ、入店してすぐ、かなりお年の店員さんが、明日の天気はどうなんだろうと言いながら店内の雰囲気に全く合わない巨大なテレビのスイッチを入れたので、合計6トンのスピーカーから流れるこの空間のための音楽に浸る雰囲気ではありませんでした。
行かれる方は、そのインテリアだけでなく音楽にも注意してみてください。
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メニュー
メニューはシンプルです。お値段もどちらかというと昭和価格です。
おむすびが1個100円!コンビニより安い!
ランチメニューはこちらです。焼うどんではなく、うどん焼きっていうのはうどん県香川では普通の言い方なのでしょうか。▼
オーダー
うどん焼きとかおむすびも食べてみたかったけれど、夕飯にはちょっと早かったので、まずはホットコーヒー。
そして、写真はないのですが、喫茶店の定番メニューレモンスカッシュもオーダー。
どちらも安定の喫茶店の味でした。おいしかったです。
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ポイント
実は以前に訪問したことがあるのですが、お店の場所を確認して、車を駐車場に停めてから再度店に来てみたら、看板をちょうど片付けているところで、びっくりして「え!もう終わりですか?」とお尋ねしたところ「今日は閉店です。ごめんなさいね。また来てね」と言われました。
まだコロナ前の出来事でしたが、わざわざ東京から行ったので、店頭で茫然自失、しばし絶句した経験があります。
営業時間は18時半までの設定ですが、ずいぶん早めに閉めてしまったりとかなりフレキシブルなようです。
前回の訪問は確か18時前だったと思いますが閉店でした。確実に入店したいなら、昼間に訪問した方がいいですね。
というのも、今回17時前に入店し、会計したのが17:30頃でしたが、すでに貸し切り状態でしたので、完全に閉店片付けモードに入っていました。
ママさんが、ホール担当の店員さんに「今日はもう閉めましょう」と言っているのが聞こえてきて、(決して我々を急かしているわけではなく、たまたま聞こえてしまった)閉店時間は「お客さんの途切れた夕方」という感じのようでした。
というわけで、確実に入りたいなら17時前をオススメします。
木製の積み木のような「城の眼」の看板もなかなか味があっていいですね。おそらくこれも空充秋デザインではないかなぁ?未確認ですが。▲
高松に行くなら絶対に訪れたい喫茶店です。
基本情報
店名 | 城の眼 |
住所 | 香川県高松市紺屋町2−4 MAP |
最寄駅 | 高松駅徒歩約11分 |
定休日 | 日曜 |
営業時間 |
8:00 – 18:30 (閉店時間は流動的) |
禁煙・喫煙 | 喫煙可 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。