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立地と歴史
浜松町と大門駅と御成門の3つの駅からアクセス可能な場所にある喫茶モトにはずっと前から是非行ってみたいと思っていて最近ようやく訪問することができました。
この年季の入ったお店の創業は昭和32年(1957年)です。お店にある様々な美術品・工芸品の収集は60年くらい前から始めたそうです。
ということは、開業してから60年経っているわけですから、喫茶店開業してすぐに収集に目覚めてしまったのですね。
店構え
もう、店構えからしてワクワクが止まりません。
蔦のからまるファサード、日焼けして判読しづらくなった入口テントの喫茶モトのフォント、カエルとか狸とか謎すぎるけどオーナーにとっては色々ストーリーがあるであろうさまざまな置物の数々。
身震いするくらい素敵!大好物!
見てください。モーニングサービスの金額だって都内とは思えません。▼

店内
恐る恐る扉を開けるも、結構かたくて簡単には開きません。
え、これはもしや試されてる?
ここまで来たら絶対に入りたい!
渾身の力を込めて押すと、重い扉はなんとか開きました。
その扉の中に広がる世界は。
きゃーーーーーーっ!
夢にまで見たカオス感!
混沌が渦を巻いているかのようなこの店内。
最高すぎるでしょう!
この手のカオスは2年3年では完成しないのです。
熟成したワインのようにゆっくりと長い長い時間をかけて完成するのです。
いや、喫茶モトはまだ未完成なのかも。
まだまだ熟成していく伸びしろがあります。▼

喫茶店では定番のシャンデリア、そして、古今東西、世界各地の民芸品、工芸品、ステンドグラス、油彩、などなど、”所狭し”なんていう表現が陳腐なくらいぎっし、ぎっしのぎっしりです。▼

こちら厨房です。厨房のこのカオス感はむしろ昭和レトロな喫茶店ではそんなに珍しくはありませんね。▼

雑然と飾られた周りのものとは隔離するかのように特製のケースに入れられた陶器のフランス人形です。
これぞまさに「箱入り娘」を体現してるかのような状況に見えてしまいます。
喫茶モトは喫煙可能なので、マスター的に大事なものにはビニールやらラップやらが巻かれていたりします。▼

こちらビニールのかかった絵画とラップがまかれた象牙。これでタバコの煙がかかっても大丈夫。▼

60年かけて収集しただけあってとにかくすごい。
飾ってない絵画もまだまだたくさんあるんですって!

奥にぽっかりと絶妙な空間があるなと思ったら、奥に大型テレビがありました。
テレビがデーンと置かれている昭和レトロな喫茶店を私が勝手にリビング系とカテゴライズしているのですが、
喫茶モトはカオス系でありながら、リビング系でもありました。
そして、飾ってないまだまだたくさんある作品ってきっとこのテレビ周りの見事な山々の事ですよね。
遭難しそうなくらいありますね。▼

メニュー
レザークラフトでできた貫禄のメニュー▼

モーニングの時間帯に伺ったのでモーニングのAとBをオーダーしました。
特製ビーフカレーは現在休業中です。▼

オーダー
各テーブルの上に灰皿、砂糖と共に食塩が置かれていた理由はこれです。
モーニングについてくるゆで卵です。
何より先にこのゆで卵が出てきました。▼

上がモーニングAのトーストです。
下がモーニングBのハムトーストです。
シンプルで美味しいモーニングでした。
モーニングメニューよりこの素晴らしすぎる空間で満腹になったという方が正しいかもしれません。▼

ハムトーストはコールスローとハムが挟んであります。▼

ポイント マスターの人柄
店内に美術品商の許可証を見つけたので、美術のお商売もされてるんですか?とお聞きすると、以前に頼まれて手伝いをした時に取ったそうですが、「もう更新してないから期限が切れてしまっているし、前科さえなければ誰でも取れますよ」なんて謙遜されていました。▼

ラップにまかれた象牙に鯉の絵柄があしらわれているもの。▼

▼これは象牙で春画を立体的に彫ったものです。鯉模様の象牙を見ていたらマスターが見せてくれました。
喫茶モトに行かれたらどこにあるか探してみてください。
なかなか難易度高いです。

マスターはオークションで油彩画を購入したりもするそうです。
店内の作品でこっそり価格を教えてくれたものの中にはびっくりするような値段のものもあったりして防犯上、作品の写真は掲載しませんが、本当に宝の山です。
「この作家は最近亡くなったんだけど」と言いながらご自分がコレクションしている作家の展覧会図録を見せてくれました。そこにはしっかり「没後35年展」の文字が。。
ああ、マスターにとって35年前って最近なんだ。わかる気もする。あっという間に60年経ってしまって、あっという間に美術品・工芸品で店が埋まっちゃったんだろうなぁ。とここまでの喫茶モトに流れた年月に思いを馳せるのでした。
美術品の話をする時のマスターはとっても嬉しそうです。
以前は、近隣に勤務する方を中心にたくさんの常連さんで賑わっていたけれど、最近はみんな引退しちゃって、全然お客さんが来ないという話をしていた時はちょっと寂しげでした。
あと、入り口の扉がかたくて開けにくいから、閉まっていると勘違いして、去っていくお客さんもいるんだとか。
オークションで落とした作品の価格の話をしていたけれど、それだけのお金あったら、扉を修理したらいいのでは?と要らぬおせっかいな気持ちが湧きましたが、口にはしませんでした。

マスターと美術談義に花を咲かせていたらあっという間に時間が経ってしまいました。
とっても人柄の良い美術好きのマスターです。
超個性あふれる喫茶モト、帰り際にみたら店先の陶器に溜まった水を求めて鳩がたくさん集まっていました。
なんとも微笑ましい風景です。
近いうちにまた行こうっと。
喫茶モト
港区芝大門1丁目4−16 MAP








