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本郷の東京大学本郷キャンパス正門前の喫茶店「喫茶ルオー」。創業から70年以上という老舗喫茶店です。
よくある学生街の喫茶店ではあるけれど、やはりそこは東大。美人の店員さんがいるとかコーヒーが安いとか長居ができるといった喫茶店とは違う雰囲気が流れる喫茶店でした。
立地と歴史
創業は戦後間もない1952年(昭和27年)。最初のオーナーが画家だったといこともあり、当初の店名は「画廊喫茶ルオー」。フランスの画家ジョルジュ・ルオーがその由来だそうです。
またそのときの店舗は今と異なる東大赤門前(本郷三丁目寄り)だったそうです。
▲現在の店舗は本郷通りの東大正門の交差点近く。
1980年に今のオーナーに引き継がれ、店舗も今の場所に移転してきたのだそうです。
本郷通りは本郷三丁目辺りは今どきなカフェも多くオシャレなエリアですが、駅からやや遠いこの辺りはまだ昔ながらの喫茶店が残っています。
東大の正門を出て左へ行った全席禁煙の「喫茶ルオー」、右へ行った全面喫煙可な「コーヒーこころ」がその双璧でしょう。
店構え
見たところは住居兼用の一軒家のように見えますが、現在は1階も2階も客席として使われています。
▲ネオンが灯る軒先の四角い看板は昭和の喫茶店でよく見かけるタイプ。
軒にはルオーのフランス語Rounautが手書き風のフォントで描かれています。
今の場所での営業は1980年からだそうですが、建物自体はそれ以前からのもののようです。玄関ドア前だけレンガでないのは学生運動が盛んだった時代に投石用にレンガが剥がされてしまったのかも。
店内
外から見るとこじんまりした店舗に見えますが内部はいわゆるうなぎの長屋風。
さらに2階席もあるのでキャパ的には50席以上になるそうです。
▲奥に細長い店内。
木製の椅子にテーブルと、昭和な感じが漂っています。
この使い込まれた感じからすると、今の店舗になる前の、赤門前の古い店舗の頃から使っているのかもしれません。
▲かっカワイイ!!
椅子の背もたれにはコーヒーカップ形のくり抜きがされているのです。
▲これは店内から玄関を見たところ。
入ってすぐの壁に絵がかけられています。店名にもなったジョルジュ・ルオーの絵画「赤鼻の道化師」です。
▲2階へ上がる階段にも絵が飾らています。
店内には絵画だけでなく展覧会のポスターなども貼られていて、画廊喫茶だった出発点の意志を今も受け継いでいるようです。
メニュー
さてメニューですが、これもレトロ感覚あふれるもの。
▲ドリンクのメニュー。
値段を見なければ昭和の喫茶店のメニューです。
▲食事とデザートとモーニングのメニュー。
食事といっても「セイロンカレー」だけですが。
朝のモーニングメニューにカレーがあるところが学生街の喫茶店らしいです。
(メニュー内容と価格は取材時のものです)
オーダー
今回はルオーの看板メニュー「セイロン風カレー」をオーダー。
サイズ的に「大」、「並」、「小」があって、その「並」をオーダーしてみました。
▲やわらく煮込まれた豚肉の塊とじゃがいも、そしてスパイシーなルーというイギリス風なカレーですが、そのシンプルさが飽きられない人気の秘訣のようです。
ポイント
東大前というその立地ゆえか、三島由紀夫や司馬遼太郎といった著名人にも愛された喫茶店。
そして令和の今も昔からの学生街の喫茶店な雰囲気を色濃く残しているので、単なるレトロで終わらない魅力があります。
本郷界隈でのレトロ喫茶巡りとして、またレトロ建築が建ち並ぶ東大本郷キャンパスと併せての訪問などにどうぞ。
基本情報
店名 | 喫茶ルオー |
住所 | 文京区本郷6丁目1−14 MAP |
最寄駅 | 南北線 東大前駅、大江戸線/丸ノ内線 本郷三丁目駅 |
定休日 | 日曜日 |
営業時間 | 9:30 – 20:00 (平日) 9:30 – 17:00 (土) |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。