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JR常磐線の北松戸駅前にある喫茶店「微巣登路(びすとろ)」は、まるで時が止まってしまっているかのような昭和の喫茶店です。
都内ではもうなかなかお目にかかれない、さまざまな昭和遺産と出会うことのできる駅前喫茶です。
微巣登路と書いてビストロと読ませるのは、今のキラキラネームにも通じる昭和のヤンキーなセンスですね。
立地と歴史
JR常磐線北松戸駅東口ロータリー脇の雑居ビル。この2階にそのお店はあります。
駅を出て徒歩30秒。駅の東の右手がマクドナルド、左手が微巣登路という好立地です。
このビルは角地に建っているのですが私たちが訪問した日は1階のシャッターが閉まっていました。
もしかしたら1階にはテナント自体が入っていないのかもしれません。
2階部分には微巣登路の大きな看板があるのですが、これはかなり最近作ったもののようです▼
ビルの古さを除けば、外からの見た目は昭和というより平成初期を思わせますが、一歩中に入ると昭和へタイムスリップです。
創業は昭和53年(1978年)。意外にも昭和も終わりに近い時代の創業だそうです。
北松戸というお世辞にも大きな駅とは言えない立地で、こうして40年以上営業を続けていられるのには何か理由があるはず。
結論から言うとサイホンで淹れる珈琲が期待以上だからではないでしょうか。
店構え
ビルの片隅に微巣登路へ上る入り口があります。
入り口は狭いのですが全60席とあるように比較的大きな喫茶店です。
入り口に入ると右側に食品サンプルが並んでいます。
ビストロなのでピザやスパゲッティといった軽食もあります。
サンプルや簡単なメニューを見てから階段を上るとそこが入り口です。
自動ドアですが調子が悪い時もあるみたいで、そんな場合は軽く手を添えれば開きますよ。
ここまでは普通に郊外の沿線にある昔からの喫茶店という感じです。
店内
店内も一見したところは普通の古い喫茶店。
夜はワインなども出すので、テーブルやソファなどはバーやスナック仕様です。
昼間は地元の人たちのコミュニケーションと憩いの場、夜は仕事帰りの人たちが飲んで一日の疲れを癒やす場。駅前喫茶の王道ですね。
テーブルは基本的に4人席。
ソファーも豪華ですからお客さんが少ない昼間の喫茶としてはかなり理想的なように思えます。
ただし、ここは喫煙可能店、というか喫煙目的店です。
20歳未満の方は入店できません。
若い子が全然いないのはそのせいです。高校生はそもそも入店できませんから。
メニュー
メニューはシンプルです。
開店から11:30までのモーニング、11:30から13:30までのランチ。あとは普通にコーヒーやケーキなど。
夜のワインビストロのメニューもあるはずです。
階段を上る前にサンプルとメニューを見れば、これでだいたい頼むメニューは決まると思います。
階段を上った店のドアの前にもメニューが貼られていました。▼
あと、ヨーグルトやチーズケーキなども▼
あとモーニングやランチは平日だけでなく週末も同じ内容、価格で提供しています。
オーダー
今回は開店直後の訪問だったのモーニングをオーダー。
ハムサンドとホットコーヒーで610円。
ハムサンドはシンプルに食パンにハムという組み合わせ。
都会のオシャレなハムサンドを期待してはいけませんね。あくまで朝の腹ごなしです。
そしてコーヒー。
マスターがサイフォンで淹れるザ・喫茶店のコーヒーでした。
これは朝から落ち着けます。喫茶店で飲むコーヒーとしてはこういうのを期待しますし、それに応えてくれるようなコーヒーでした。
あまり長居はできませんでしたが、休日の昼下がりに、こうした空間でコーヒーを飲んで過ごしたらこれはまったりできますね。
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昭和の遺産
まさに喫茶店なコーヒーを堪能したところで店内を眺めてみると、いろいろ懐かしいものが置かれていました。
まずは電話ブース。わざわざ電話ブースを設えるところが本格的です。
昔は営業マンが喫茶店で休憩しながら取引先などに電話していたのでしょう。もちろん携帯電話など無かった時代です。
置かれているのはピンクのダイヤル式公衆電話。ポケベルなどで呼び出された営業マンがポケットから10円玉をジャラジャラ出してこの電話機で電話するのです。時には人に聞かれたくないヤバい話もあるでしょうからこうした密室ブースが必要なのです。
電話ブースの横から店内を見ると、さらに昭和な懐かしいものが目に入ります。
信じられないことに、テーブル型のテレビゲーム機が並んでいます。
テーブルにディスプレイ(ブラウン管)が仕込まれていて、100円玉を入れるとゲームができるというマシンです。
それも3台。
インベーダーゲームとかではなく麻雀ゲームでした。
これは音も大きくないので営業マンがサボり休憩に来るような喫茶店向きなのでしょう。
画面が動いていたので今でもプレイできるようです。
さらに奥にあるのはジュークボックス。これはお金を入れて選曲すると、ジュークボックスの中にセットされているレコード(シングル盤)がかかって音楽が鳴るという機械です。
それにしても、さすがにジュークボックスが置かれている喫茶店は珍しいです。
夜のビストロタイムに活躍するのでしょうか。
どんな曲がセットされているか、気になりますよね。
イーグルスの「ホテル・カリフォリニア」、テレサ・テンの「つぐない」。あとチェッカーズとか松任谷由実とか。
1978年創業なのでそれ以前のヒット曲も入っていますが、80年代の曲もあるのでその頃まではシングル盤も最新のものに入れ替えていたようです。
ポイント
ポイントはとにかく昭和遺産の数々。
ジュークボックスにセットされている懐かしの名曲を頭の中で再生してみるのもいいですね。
テレビゲームも懐かしい人には死ぬほど懐かしいんじゃないでしょうか。
朝から営業していて閉店は深夜2時。
基本的には喫茶店ですが夜のワインビストロとしての時間の方が長いのかもしれません。
北松戸というと何か仕事の用事でもないと行く機会がなくて意外と訪問難易度が高い気がしますが、もし常磐線沿線に用事があって時間があったら、昭和レトロの代表みたいな微巣登路に寄り道するのも楽しいと思います。
基本情報
店名 | 微巣登路(びすとろ) |
住所 | 千葉県松戸市上本郷905−5 ワタナベビル 2F MAP |
最寄駅 | 北松戸駅徒歩約1分 |
定休日 | 水曜日 |
営業時間 | 9:00 – 深夜2:00(日曜は〜10:30) |
禁煙・喫煙 | 喫煙可 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。