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京都 喫茶店初!国の登録有形文化財に指定された フランソア喫茶室


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京都には老舗のお店がたくさんありますが、ここフランソア喫茶室はなんと!2003年に喫茶店で初めて国の登録有形文化財に指定された由緒正しき昭和レトロなお店です。そんな京都の昭和レトロなお宝スポットを今回久しぶりに再訪してきました。

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立地と歴史

喫茶室は京都河原町の駅と鴨川に渡る四条大橋の間の西木屋町通り沿いという最高にアクセス便利な場所にあります。

創業はなんと戦前で、1934年(昭和9年)に遡ります。創業者は芸術家志望で自身も京都市立美術工芸学校(現在の京都市立銅駝美術工芸高等学校)に通った立野 正一(1907年ー1995年)です。

立野は熱心な社会主義者で活動家の自活と社会主義啓発を目的としてこの喫茶店を開業しました。開業の翌年に後の妻となる留志子が加わります。

やがて戦争が始まり学徒動員で、フランソアに通っていた学生たちも戦地へ赴きます。更に戦時下コーヒーや砂糖などが手に入りにくくなる中、敵性語の禁圧から店名をフランソア喫茶室から「都茶房」に替え、妻留志子が中心となり、なんとかお店を守り抜いたのです。

店構え

最初の喫茶室は町屋を改装したもので、現在の店舗とは少し異なりますが、1941年に現在の店舗である最初のお店の北側の町家を買い取って本格的な改装を施しました。

外観は、壁面装飾とステンドグラスで彩られています。日中よりも店内の明かりが漏れる夕方の時間が最高にロマンチックです。▼

6月の初旬に再訪したので、店頭には可愛らしい紫陽花が咲いていました。▼

店内

現在見られるイタリアの豪華客船の内装をイメージした設えなんと!ほとんどが当時からのものなんです

圧巻はこのドーム型の天井です。

ドーム下、中央に飾られているのは、かの有名なレオナルド・ダヴインチのモナリザですが、ちょっとスリムな感じしませんか?▼

店内はドーム天井だけでなく、至る所に見事な装飾がなされ、長きにわたって大切に使われてきているのが伝わります。

外観から見えるステンドグラスの窓です。カーテンで仕切ればちょっとした個室に早変わりです。▼

壁面の木彫も見事です。家具との調和も素晴らしいですね。▼

お店の奥に飾られている戦前のパリの市街図(写真左▼)は創業時からのもの

奥のスペースは若干普通の喫茶店な雰囲気です。私は断然手前のスペースが好きですね。▼

メニュー

3年ぶりの訪問ですが、メニューに描かれているかわいい少女の絵は変わってませんでした。▼

おそらくメニューの内容も変化なしだと思います。なかなかのお値段ですが、登録有形文化財の建築見学の入場料も込みだと思えば適正価格かと思います。▼

オーダー

オーダーしたのは、ブレンドとレモンケーキ、アメリカンとシナモントーストです。▼

フランソア喫茶室のロゴが入ったカップ&ソーサーとお皿もかわいいですね。

レモンケーキはしっとりとしてレモンの酸味が効いた爽やかな逸品。コーヒーによく合う。▼

シナモントーストにはミニサラダがついてきます。野菜も摂取できてスイーツも食べられるシナモントーストは優秀だ!▼

前回訪問した時の写真、コロナ前ですごく混んでいたので、店内の写真はまともなものがなかったのですが、唯一このクリームソーダの写真だけ掲載します。▼

ポイント

お隣にある「BARミッチミッチェル」いつもここに来ると気になるんですよね。ちなみにミッチ・ミッチェルとはジミヘンことジミ・ヘンドリックスのバンドのドラマーの名前です。渋い!▼

吉村公三郎や宇野重吉、鶴見俊輔ら文化人が通ったことでも有名で、今やお二人とも亡くなられましたが、映画監督の新藤兼人と女優で妻の乙羽信子がデートに使った場所だったり、数々の小説に度々登場する場所でもあります。

例えば、瀬戸内晴美の「家族物語」、嶽本野ばらの「鱗姫」、今江祥智の「袂のなかで」、辻井喬こと西武の堤清二の「終わりからの旅」など。

鴨川散歩の途中に訪れて、戦前の若者が熱く理想の社会を語り合ったであろう空間で熱いコーヒーを飲みながら、令和の社会を考えるというのはどうでしょうか。

京都生クリームがたっぷりのウインナーコーヒーは有名なコーヒー&レストラン DORF/ドルフの記事はこちらから。

基本情報

店名 フランソア喫茶室
住所 京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町18 MAP
最寄駅 京都河原町駅1B出口徒歩約1分
定休日 無休 (12/31-1/2休業)
営業時間 10:00 – 22:00
禁煙・喫煙 全席禁煙

営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。

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