目次
人気のオシャレタウン恵比寿で隠れた人気店や話題店が集まる新橋グルメ通り。そこに40年以上前から店を構えるのが今回紹介する「鉄板焼レストラン不二。
バブル期前の恵比寿で鉄板焼ですから創業当時はそれこそ知る人ぞ知るの鉄板焼屋だったのかもしれません。
▲恵比寿駅の東口からひたすら真っ直ぐ歩けばそのままグルメ通り。恵比寿ビジネスタワーの足元付近に不二はあります。
看板には鉄板焼、レストラン、ステーキハウスと文字が並んでいて、実はどれも正解。鉄板焼レストランでもありステーキハウスでもあるのが不二なのです。
道の向かいには洋食屋、すぐ近くにはハンバーグなどで人気店のGrillマッシュがあって肉の激戦区ですが、さすが老舗の貫禄です。
不二は2023年で閉店しました。
立地と歴史
JR恵比寿駅の東口を地上レベルまで下りたらひたすら真っ直ぐ。恵比寿通りの信号ではルノアールとびっくり寿司の間の道を入ります。それが「新橋グルメ通り」です。
恵比寿二丁目交差点辺りまで、距離して数百mくらい。明治通りと恵比寿通りの間の通りですがイタリアンやフレンチやケーキ屋さんなどが軒を並べています。
その新橋グルメ通りに名前が付くずっと以前から営業しているのが「鉄板焼レストラン不二」です。
創業は1980年。その後40年以上、姿も味も変えることなく鉄板焼きを焼き続けています。
店構え
不二が入るのはマンションの1階。鉄板焼という重飲食の業態ですし、実際かなり煙たい(物理的に)お店ですが、それでも同じ場所でずっと続いています。
▲店頭の食品サンプルケースです。
食品サンプルはラップに包まれメニューの文字は日焼けし薄くなっています。初めての人はこれを見たら踵を返してしまいそうですが、不二にとってはそんなの痛手にもならないと思います。
店内
営業中の札がかかっているのを確認したら店内に入ってみます。
▲壁には手書きのメニュー。
壁際に並ぶベンチとテーブル。テーブルの鉄板は新聞紙で隠されています。
床はおシャレな市松模様。
なんとなく創業当時はバブル前の70年代的なオシャレ感覚だったんだろうなぁというのが伝わります。
▲客席は壁際。テーブルは鉄板付き。
この不思議なレイアウトは不二のオペレーションからの必然のレイアウトなのです。
よくある高級な鉄板焼は、客はカウンターに座って調理人が鉄板の上で妙技をふるいながら肉や魚や野菜を調理しますよね。
でも不二は客のところにシェフが出張って調理してくれるのです。鉄板焼の民主化とも言えるオペレーションなのです。
通路側に椅子がないので、シェフ(店主)が自由に動いて調理できますし、客は全員壁際に座ってシェフの妙技を見守ることになります。
▲これは厨房。ここではシェフの奥さん(?)が仕事をしています。
ライスと味噌汁の準備、それとシェフが肉の下ごしらえをするのがこの厨房になります。
メニュー
メニューはたぶんありません。
その代わり壁に手書きのメニューが掲示されています。
▲これはランチメニュー。
パンデミック中に長期休業していましたが、休業明けからランチの時間がちょっとだけ短くなっています。
また、ディナータイムの営業も止めてしまい、今はランチタイムの2時間半だけの営業になっています。
その代わり、ランチ千円という値段は以前と変わりありません。
▲ランチメニューの他にアラカルトメニューも壁に掲示されているのですが、なにせディナータイムの夜の営業を止めてしまったので、オーダーしても作ってもらえるか分かりません。
オーダー
ということで今回の訪問でオーダーしたのは、ハンバーグステーキランチです。
▲指定された席に着くとお新香、特製醤油、練り辛子がセットされます。
お一人様でもこの広い鉄板を使って調理してもらえるのが嬉しいです。
▲牛ラードを鉄板で炒めたところで、いきなり大量のもやしを鉄板に投入。
さらに調味料で味を整えていきます。
ハンバーグの方は厨房で作った手練りのハンバーグです。
鉄板の上で温めながら蓋をかぶせてさらに蒸していきます。
途中蓋を取って白ワインを追加。
調理方法がかなり本格的。さらにシェフ(店主)だって、ちゃんとコック帽をかぶった本格的な出で立ちです。
▲もやしも炒め終わり、ハンバーグも6つに切って出来上がり。
これは見ていて楽しいですね。
出来上がったところで、もやしとハンバーグを寄せてくれて「野菜から食べてね」という優しいお言葉。野菜から食べると血糖値の急上昇を抑えられますからね。
さらにこのハンバーグの美味しい食べ方の簡単なレクチャーもあり。
コック帽をかぶったシェフ(店主)は見たところ80歳以上、厨房と配膳を担当する奥さんも同じくらい。40年前の創業時はたぶんどこかのホテルとか有名レストランで責任ある仕事をしていた方なんじゃないでしょうか。独立して不二を始めたのでしょう。
▲左は普通の練り辛子。好みで肉に付けるのだそうです。
右が問題の不思議ソース。醤油ベースですが酸味もあって、これを入れた小皿に肉を浸してから食べるのだそうです。たしかに酸味が効いて肉が美味しくいただけます。酸味だけでは物足りななら辛子を少しつければ良いですし。
ポイント
ポイントは目の前で焼いてくれる鉄板焼。そしていつになってもコックとしての矜持を守る店主の妙技でしょう。
外観の古さとか店内の不思議なレイアウトとか実際はどうでもよくて、このシェフ(店主)と奥さん自体がポイントです。
▲外の食品サンプルケースにはテレビ番組出演時の写真が飾られています。今はこの写真よりかなりお年を召されていますが、ずっと元気でこの場所、この店で鉄板焼きを続けて欲しいものです。
ランチの営業時間は14時までですが、それでも二人の疲労度はかなりのものみたいです。ディナータイムの復活はあまり期待できない感じです。
基本情報
店名 | 鉄板焼 不二 |
住所 | 渋谷区恵比寿1−26−1 MAP |
最寄駅 | 広尾駅 徒歩5分 |
定休日 | 日曜日 |
営業時間 | 11:30 – 14:00 |
禁煙・喫煙 | 禁煙 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。