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長野県上田市のにある映画館上田映劇の、かつてはチケット売り場だった場所にお店を構える重澤珈琲に行ってきました。
重澤珈琲は、昭和レトロとか老舗喫茶店とか純喫茶ではありませんが、重澤珈琲がお店を構える映画館の歴史はかなりのものです。
立地と歴史
上田駅から徒歩10分ほどの場所にある上田映劇は、前身の上田劇場の創業1917年(大正6年)に建てられた築105年目になる木造建築です。
創業時の上田劇場は、1階に桟敷と花道があり、回り舞台仕様で歌舞伎座と同じような作りをしていました。
昭和に入って芝居の上演に代わり、映画上映をするようになったため、上田映画劇場と名称変更されました。それが現在の上田映劇の始まりです。
しかし、その上田映劇も2011年(平成23年)4月に大型シネコンの参入などにより、入場者数が激減し、定期上映を終了しました。
その後、2013年(平成25年)に劇団ひとり監督、大泉洋主演による映画『青天の霹靂』の撮影がここで行われ、その際に昭和40年代の浅草を忠実に再現したセットがそのまま残されました。
現在はありませんが、なぜか上田で「あさくさ雷門ホール」とのサインがついている時が数年間ありました。
▼ これは映画のセットだったのです。
2016年(平成28年)、歴史的価値を持つ上田映劇を復活運営及び恒久的保存していくために「上田映劇再起動プロジェクト」がスタートします。2019年(平成29年)「上田映劇再起動準備会」として約6年ぶりとなる定期上映が再開され、2020年(平成30年)には「特定非営利活動法人 上田映劇」が誕生し現在に至ります。
ここまでは、重澤珈琲ではなく、上田映劇の歴史です。
重澤珈琲は、2020年10月にこの映画館の一角に誕生しました。映画隆盛の時代は、入り口の両脇がチケット売り場だったそうで、その片方がお店です。
現在の上田映劇の様子です。▼

店構え
外観には、この「COFFEE」の文字のみです。どこにも重澤珈琲とは書いていなかったと思います。
とってもいい味が出ています。なんせ建物は築100年越えですから。▼
店内
お店の中には、映画館の入り口から館内に一度入ってから入店します。映画鑑賞をしなくても重澤珈琲だけの利用可能です。
カウンター前にアルネヤコブセンのセブンチェアのハイスツールが3脚と小さなテーブル席があるだけです。▼
ここが小さな店内席▼
メニュー
珈琲は有機栽培の珈琲豆のみを厳選し、小さな手廻しロースター で焙煎しネルドリップです。
東御市のフルーツを使ったミックスジュースやお食事としてトーストや焼き菓子がありました▼
コーヒー豆も販売しています▼
オーダー
今回のオーダーはエチオピアのストレートコーヒー▼
焼き菓子はこの日はレモンケーキでした。
これがコーヒーにあうし、すごく美味しかった。また食べたい。▼
ポイント
これまで長きに渡って芝居や映画の栄枯盛衰を静かに見守ってきた大正時代に建てられた建物で、美味しいコーヒーを飲みながら、100年前にどんなお芝居が上演されたのか、想像するのも面白いかもしれません。
上田には、専門学校綿良学園が経営するお洒落な空間コーヒールーム わたりょう(Wataryo)、
上田の喫茶店の草分け的存在メニューが珈琲のみで潔い珈琲木の実、
ランプ型照明が素敵な店内とボリューム満点の軽食が美味しい亜羅琲珈、
オーナーご夫妻の人柄の良さとインテリアのクセ強めのお食事・喫茶ニュービーナス、
アジアンリゾートなインテリアが素敵な自家焙煎珈琲コロナ、
魅惑の黒レースが素敵な喫茶店甲州屋など昭和レトロで個性的な喫茶がたくさんあります。
映画のまち上田で喫茶店巡りはどうですか?
基本情報
店名 | 重澤珈琲 |
住所 | 長野県上田市中央2丁目12−30 MAP |
最寄駅 | 上田駅徒歩約10分 |
定休日 | 月曜日 |
営業時間 | 8:00 – 18:00 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。
上田市は温暖で交通の便も良く、さらに降水量も少ないという映画撮影に適した環境から100年以上にわたり多くの映画がロケを行っています。テレビドラマやCM、ミュージックビデオやグラビア撮影など映像関係でのロケも多く行われているので重澤珈琲や上田映劇などの周辺を知らずに目にしているかもしれませんね。
上田でロケが行われた映画、劇団ひとりの「青天の霹靂」をはじめいくつか紹介します。Amazonで購入することもできますし、Amazon Prime会員なら無料で視聴できるものもあります。
・劇団ひとり監督、大泉洋主演「青天の霹靂」
・鈴木清順監督、高橋英樹主演「けんかえれじい」
・小津安二郎監督「一人息子」
・岡本喜八監督、三浦友和主演「姿三四郎」
・細田守監督「サマーウォーズ」
・市川崑監督、石坂浩二主演「犬神家の一族」
・山田洋次監督、渥美清主演「男はつらいよ・寅次郎純情詩集」
・小泉堯史監督、寺尾聰主演「博士の愛した数式」
・野口照夫監督、芦名星主演「たとえ世界が終わっても」
・小西康陽「11のとても悲しい歌」(CDジャケット)